▶︎少女は地を這う ページ1
『っ、』
やってしまった。
少女_____周防 Aの目の前には倒れた薄汚れた中年の小太りで頭から血を流している男。そしてAの手の中には血だらけの灰皿。肩で息をしているAがこの状況を創り出したという事は明確であろう。
だが、Aの方も痣だらけであった。簡潔に言うとAは今衝動的に殺してしまった男である父親に家庭内で酷い事をされてしまっていたのだ。だが、そんなAも17年間は耐えて来ていた。母親が蒸発しようが、父親が何をしようが兄の存在だけがAにとっての唯一の救い。そんな兄から貰った高等教育費をパチで溶かした父親に感情を吐露した瞬間に逆ギレされて灰皿で殴られかけたとき、死にたくないという火事場の馬鹿力で父親の手にあった灰皿を奪い、父親の頭に振り落としたのだ。
だが、それをしたとてこの国は男尊女卑の極み。娘が父親を殺したとなれば、娘は確定で死罪となってしまう。死にたくないという本能だけで家から離れようとしたのだが、その前にパトカーのサイレンの音と救急車の音が聞こえて来た時点で逃げ場が無いという事が分かる。
普段は周りの人間もAが殴られたとしても救急車すら呼んでくれなかった癖に、少しでも異変を感じ取ったらこぞって政府を呼び出す。税金なんて無いこの国では、政府の何かを呼び出すとなれば呼び出した側がお金を払う事になるから忌避するのだが、犯罪者を捕まえれば多額のお金が出る。貧乏な市民にとってはまるで5人組の様な制度なのである。
「君、名前は？」
『Aです。周防 A』
「そうか。可哀想にな」
無事包囲されてしまい逃げ出せなくなってしまったAは手錠を掛けられてパトカーへ乗り込む。警察官はAの身体にあった無数の痣と血を見て流石に可哀想に思ったのだろう。簡潔にだが彼は、Aを同情する声を出してくれた。
だが、1人の人間の情があった所でAの運命は変わらない。まるで某アルカトラズの刑務所の様に四方八方が海に囲まれた場所へと連れて来られる。最期に兄に会いたかった。と言うより、自分の所為で兄が不条理な目に遭っているかもしれないという気持ちの方が強かったらしい。国外に居るから簡単には会えないし、何ならもう面会謝絶されているだろうから駄目なのだろうけれど。
出来たら痛みの無い死に方が良い。そう思いながら固いベッドに横になった。
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オバケ(プロフ) - 続編が8回…！？もう一回遊べるドン！×8は嬉しすぎます。無理のないよう僕たちに尊いを供給してください、お願いします！！ (4月30日 21時) (
レス) @page50 id: db93c912f5 (このIDを非表示/違反報告)
n(プロフ) - すごく面白かったです…！！応援してます！ (4月13日 6時) (レス) @page50 id: 55db97e30c (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - なーとどさん» ありがとうございます……！！続編は少しだけ手直ししているのですが、ぼちぼちと更新していこうと思っております！！ (4月10日 17時) (レス) id: bdf8650039 (このIDを非表示/違反報告)
なーとど(プロフ) - この作品に出会えたことに凄く感動してます！！続きいつまでも楽しみに待ってます！ (4月10日 16時) (レス) @page50 id: 13e99d6a75 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - アホですさん» ありがとうございます！！面白いと言ってもらえて感無量です……！れ (4月9日 17時) (レス) id: bdf8650039 (このIDを非表示/違反報告)
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