【rd運営】【wrwrd!】魔法使いに憧れた結果。 (ページ9)

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彼が伸ばした手。昔の記憶がフラッシュバックし身を屈める。叩かれる。そんな想像をしてしまった。

それに気づいたのか彼は我に帰った顔をする。

静寂に包まれた。

「ぁっ、、いや、」

目線を彼に動かす。アナリティカルエンジンが作動し機械の音がした。

それに気づいたのか彼は目を見開く。

「君、左目...」

右手で左目を隠すように抑える。舞台袖のカーテンが揺れ、壁から滑るように座り込む。

あぁ、見られた。

また、またあの日々が繰り返すのか。

嫌だ、嫌だそんなの。ようやく自由になったと言うのに。

「違ッ、ちがう！！これは＿！」

「すまない」

「は、」

トラウマのフラッシュバックのせいか上手く立てなくて座り込んだまま彼に反論を述べようと思ったときだった。

彼が目線を合わせるように膝をつき、抱きしめてくる。

どういうことだ。冗談はよしてくれ。まさか左目が義眼だということに気づかずあんな言い方をしてしまったことに謝っているのか？

ふざけるな。ここまでくるなら最後まで質問をぶつけてくれよ。

「ッ同情？そんなの、いらないから！」

生徒会長の腕を振り払う。精一杯睨みつけたあと私はゆっくりと立ち上がり舞台袖から出ていった。

見られた見られた見られたッ！

最悪最悪！！兄さんしか、兄さんしか知らなかったのに！！

先刻よりも痛む瞳を抑えて私は足音を鳴らしながら教室へと向かう。

「さいッあく！！」